「校則見直しガイドライン作成検討会議」を設置しました

これまで日本若者協議会では、ブラック校則見直しや「学校内民主主義」(校長だけで意思決定するのではなく生徒・教員・保護者なども交えた意思決定)の実現を文部科学省などに対して訴えてきましたが、先日文科省から各教育委員会に対してブラック校則見直しや、生徒・保護者も交えた校則見直しの事例が紹介され、今後全国的に学校内で生徒も含めた校則の見直しが加速することが想定されます。

一方、校則の内容については、生徒指導提要(平成22年3月文部科学省)において示されているとおり、「学校が教育目的を達成するために必要かつ合理的な範囲内において定められるもの」とされており、その範囲は曖昧かつ理不尽な校則を妨げるには至っていません。実際、黒染め強要のような行き過ぎた校則も「合理的」として認められてきたことはこれまでの判例で明らかです。

また、生徒・保護者に意見を求めるにしても、これまでさまざまな点において細かく校則を定めてきた既存の延長線上でしか考えられず、必要以上に自らを制約(細かくルールを定める)してしまう、少数者の権利が尊重されないといったケースも散見されます。

そこで、政治教育におけるボイテルスバッハ・コンセンサス(※)のような、校則見直しの際の判断軸になるようなガイドラインが必要ではないかと考え、日本若者協議会では「校則見直しガイドライン作成検討会議」を設置します。

※ボイテルスバッハ・コンセンサス
1976年にドイツの政治教育学者らがボイテルスバッハで議論し発表した、政治教育の基本3原則。
1.圧倒の禁止の原則。教員は、期待される見解をもって生徒を圧倒し、生徒自らの判断の獲得を妨げることがあってはならない。
2.論争性の原則。学問と政治の世界において論争がある事柄は、授業においても議論があるものとして扱う。
3.生徒志向の原則。生徒は、自らの利害関心に基づいて政治的状況を分析し、政治参加の方法と手段を追求できるようにならなければならない。

■委員(敬称略)
・上⼭ 遥⾹  奈良⼥⼦⼤学附属中等教育学校5年
・内田 良   名古屋大学准教授
・後藤 富和  弁護士
・西郷 孝彦   元世田谷区立桜丘中学校校長
・斉藤 ひでみ 公立高校教員
・末冨 芳   日本大学教授
・藤⽥ 星流  東京⼤学教育学部附属中等教育学校6年
・山本 晃史  認定NPO法人カタリバ「ルールメイカー育成プロジェクト」担当

校則見直しガイドライン作成検討会議 委員名簿

現在、初回会合の日程を調整中のため、決まり次第、お知らせします。原則としてオンラインで開催し、傍聴もありにする予定です。

■運営
事務局-日本若者協議会
数ヶ月にわたって検討会議を実施し、すべての子どもの権利尊重・民主主義プロセス確保の観点からガイドラインを作成・発表

■今後の流れ
・7月〜9月中旬頃―検討会議を5回程度実施(各回2名プレゼン+ガイドライン案議論)
・9月下旬〜10月上旬頃―ガイドライン公表、教育長・文科省職員などを含めたシンポジウム開催予定