東京都議会に痴漢対策として女性専用車両を都営地下鉄に導入することを求める陳情を提出しました

日本若者協議会では、2021年8月頃から、「本気の痴漢対策」を求めて、オンラインで署名を集め(6月7日時点で約3万人が賛同)、内閣府などに対して要望を重ねてきましたが、令和3年度には内閣府が痴漢被害の実態調査を行い、「女性活躍・男女共同参画の重点方針2022(女性版骨太の方針2022)」に「痴漢撲滅パッケージ」(仮称)の策定が盛り込まれるなど、本格的に対策が進められようとしています。

東京都議会でも、女性専用車両の導入拡大の検討を東京都が答弁しています。⼥性が安⼼して公共交通機関の利用をできるように、他の鉄道事業者と相互直通運転をしていない、大江戸線に早期に導入するとともに、都営地下鉄ですでに導入されている新宿線以外の、三田線、浅草線についても検討を進め、他の鉄道事業者とも連携して対策を進めていくことを求める陳情を、高校生が代表で東京都議会に提出しました。

陳情全文

都営地下鉄の全路線・全編成への女性専用車両導入に関する陳情

【願意】

都において都営地下鉄の全路線・全編成に女性専用車両を導入していただきたい。

【理由】

痴漢は⽇常に存在する最も⾝近な性犯罪です。法務省の平成31年度調査における性的事件(過去5年間)の被害内容別被害者数を見ると、「痴漢」が最も多い結果となっており、セコム株式会社が行った2020年実施の調査においても⼥性の犯罪被害のTOP1は「痴漢」となっています。また、都内にある私立・岩倉高校の1年生と2年生の生徒への調査(2022年1月実施)によると、コロナ禍で乗客が少なかった時期にも関わらず、女子生徒の26.5%、4人に1人の生徒が痴漢被害に遭っていたことがわかりました。その上、被害に遭った生徒の40%が「誰にも相談しなかった」と回答しています。こうした実態を踏まえると、政府の統計などの被害件数に表れるのはごく一部であり、実際はもっと多くの被害者がいるものと考えられます。

しかし、このように被害を受けている⼈、特に若い⼥性が多いのにも関わらず、長年軽視され続け、具体的な対策があまり⾏われていません。泣き寝⼊りをしている被害者が多数いる中、この問題は「仕⽅ない」の⼀⾔で済まされるものではありません。

私たちの団体には、こうした当事者の声が届いています。

「私は痴漢にあったことがなかったので今まで痴漢はそこまで問題ではないと思っていました。しかし、⾼校⼀年⽣の時におよそクラスの⼥⼦の半分が痴漢被害に合っていたことを知り、痴漢被害は頻繁に起きていることを知りました。明⽇の被害者は私かもしれないと思い、インターネットで痴漢の対策などについて調べましたが、具体的な対策としては『痴漢バッジ』しか⾒つかりませんでした。痴漢は⾃分の友達の半分も経験したことがある性犯罪なのにも関わらず、具体的な対策がポスターやバッジしかないことに大きな怒りを感じました。もっとできることがあるはずです。安⼼した交通移動は私たちの守られるべき権利です。」(⼤学⽣・⼥性)

警視庁のデータによると、痴漢の発生場所は電車内が25%、駅構内が26%であり、半分以上の痴漢被害が鉄道関連で起きていることがわかります。

女性専用車両に乗らないと安⼼して⽬的地まで行けない⼥性が多数いる中、女性専用車両の数が少なく、朝の通勤・通学ラッシュ時に新宿線で女性専用車両を導入していますが、それ以外の都営地下鉄は、日暮里・舎人ライナーを含めて、未導入となっています。

日本若者協議会では、2021年8月頃から、「本気の痴漢対策」を求めて、オンラインで署名を集め(6月7日時点で約3万人が賛同)、内閣府などに対して要望を重ねてきましたが、令和3年度には内閣府が痴漢被害の実態調査を行い、「女性活躍・男女共同参画の重点方針2022(女性版骨太の方針2022)」に「痴漢撲滅パッケージ」(仮称)の策定が盛り込まれるなど、本格的に対策が進められようとしています。

東京都議会でも、女性専用車両の導入拡大の検討を東京都が答弁しています。⼥性が安⼼して公共交通機関の利用をできるように、他の鉄道事業者と相互直通運転をしていない、大江戸線に早期に導入するとともに、都営地下鉄ですでに導入されている新宿線以外の、三田線、浅草線についても検討を進め、他の鉄道事業者とも連携して対策を進めていくことを求めます。

以上