「学校内民主主義の制度化を考える検討会議」を設置しました
2022年12月、教員向けのガイドブックにあたる「生徒指導提要」が改訂され、校則見直しの議論が加速しています。
「生徒指導提要改訂版」では、「児童の権利に関する条約」の4つの一般原則(差別の禁止、児童の最善の利益、生命・生存・発達に対する権利、意見を表明する権利)が明記され、ホームページの公開や校則見直しの際に児童生徒の意見を聞くことが推奨されています。
一方、児童生徒が声を上げても、合理的な理由なく校則見直しの議論が進まない、微修正にとどまり理不尽な校則(いわゆるブラック校則)が残っている、逆に児童生徒の声を受けて細かいルールが作られた、といった声も聞こえています。
国連子どもの権利委員会による勧告では、意思決定過程への子どもの参加は、当局や学校側の善意に頼るのでなく、法制化される必要がある、と指摘されており、実際欧州や韓国などでは学校に対し、子どもの意見表明権の確保を法的に義務付けています。
日本若者協議会では、これまで文部科学省によるガイドライン制定だけでなく、法制度化も訴えてきましたが、現状を踏まえると、やはり法制度化が必要ではないかと、与野党政治家への訴えを進めています。
ただ、これまであまり議論されてこなかったことから、論点がきちんと整理されていません。そこで、今後法制度化の議論が進むことを見据え、「学校内民主主義の制度化を考える検討会議」を設置します。
■委員(敬称略)
・内田 良(名古屋大学教授)
・大津 尚志(武庫川女子大学准教授)
・喜多 明人(早稲田大学名誉教授)
・郡司 日奈乃(千葉大学大学院人文公共学府博士後期課程1年)
・後藤 富和(弁護士)
・武田 光平(N高等学校2年)
・中島 源基(慶應義塾大学1年)
・西村 祐二(岐阜県立高校教諭、「斉藤ひでみ」)
・箱﨑 真子(高校3年)
・原田 亜紀子(立教大学文学部 学校・社会教育講座 特任准教授、元慶應義塾高校教諭)
・平野 裕二(ARC代表)
・藤田 星流(中央大学1年)
・真下 麻里子(弁護士)
・山田 雅太(川崎市・小学校元校長、かわさき子どもの権利フォーラム前代表)
各回の日程は随時、お知らせします。原則としてオンラインで開催し、傍聴もありにする予定です。
■運営
事務局ー日本若者協議会
数ヶ月にわたって検討会議を実施し、学校内における子どもの意見表明権確保、子どもの人権保障(校則による人権侵害の防止)の観点から法制度化に関する論点整理・試案を作成
■今後の流れ
・8月―検討会議設置
・9月〜12月―検討会議を7回程度実施(各回2名プレゼン+議論)
・12月下旬頃―論点整理・試案公表